
ASUSは先日、日本向けの「ZenFone 3」を発表しました。価格は税抜き39,800円で、Qualcomm Snapdragon 625や5.2インチ フルHDディスプレイを搭載するなど、ミドルハイレンジ程度のスペックを持っているスマートフォンです。
台湾などでは約2.6万円程度で購入できたのに対して、日本向けモデルは39,800円と予想を遥かに超える価格で、Twitterや掲示板ではげっそりムードとなっています。日本での発表が大幅に遅れたこと、並行輸入品が日本正規品よりも安いこと、様々な要因が重なり、期待を悪い意味で裏切られた気分になっている方もいるはずです。
しかしながら、並行輸入品は国内で保証を受けることが出来ないなど2.6万円程で購入出来る代わりにデメリットも非常に大きいです。その為、日本で販売されるZenFone 3は国内サポートもしっかりと受けることができ、2万円の価格差は色々な意味で重要になってくるでしょう。
今回、この記事で議論したい点はスペックに対する価格です。下記はZenFone 3の基本的なスペックとなります。Qualcomm Snapdragon 625と今でも現役で活躍出来る程のSoCを搭載しています。
Android OS | Android 6.0 |
ディスプレイ | 5.2インチ 1920×1080ドット |
CPU | Qualcomm Snapdragon 625 |
RAM | 3GB |
ROM | 32GB |
アウトカメラ | 1600万画素(IMX298) F2.0 PixelMaster 3.0 光学手ブレ補正 レーザーAF |
インカメラ | 800万画素 85度広角レンズ |
ネットワーク | Wi-Fi(a/b/g/n/ac)/LTE/Bluetooth 4.2/VoLTE |
サイズ | 146.87 x 73.98 x 7.69(mm)/144g |
バッテリー | 2650mAh |
その他 | USB Type-C(2.0) /指紋認証/Zen UI 3.0/ハイレゾ再生 |
Snapdragon 625を搭載しているスマホの価格は?
Snapdragon 625を搭載したスマートフォンは、ZenFone 3以外にもあることを忘れてはいけません。例えば最近発表されたSamsungのGalaxy On7 (2016)は5.5インチ フルHD,Snapdragon 625を搭載しています。指紋センサーやF値1.9のカメラを搭載して価格は1599元(約2.4万円)です。台湾で販売されているZenFone 3と張り合えるほどの価格です。(中国のみで販売)
HUAWEIが最近発表したスマートフォン「HUAWEI nova」は5インチ フルHD,Snapdragon 625を搭載、カメラはF値2.0の1200万画素です。こちら、ヨーロッパでの価格が399€(約4.5万円)となっています。日本で販売されるZenFone 3とさほど値段が代わりません。
同じくHUAWEI,中国で販売されるベゼルレスディスプレイスマートフォン「Mainmang 5」はSnapdragon 625に5.5インチ フルHDディスプレイ、ZenFone 3と同様のIMX298を搭載しています。価格は2399元(約3.8万円)
Samsungのスマートフォン、Galaxy C7は5.7インチ フルHDディスプレイを搭載。カメラはF値1.9 1600万画素です。SoCはSnapdragon 625で価格は2599元~(約4.4万円)
※全て記事公開時のレート
価格は至って妥当。でも批判されても仕方ない。
価格だけで見るとZenFone 3と似たようなスペックで下限は約2.4万円、上限は約4.5万円となっていて、日本で販売されるZenFone 3(39,800円)が特別高いわけではありません。国内向けにローカライズするなど、ASUSの努力が見られる一方で、台湾で買うほうが正規品より安く手に入れられる現実がある以上、ある程度の批判が生まれてしまうのは仕方ないことだと思います。また国によって物価も違ってくる為、人件費やその他もろもろの諸費用も誤差が生まれてくるものです。
出だしは微妙かもしれませんが、これからどう挽回していくか、期待したいところです。ZenFone 3 UltraやZenWatch 3も日本で出るようですし。